人知れず、夜泣き。


 「お皿とかお箸とかは100均でいいとして・・・フライパンとかお鍋を見に行こう」

 気を取り直した木内が『こっちこっち』とオレの服を引っ張った。

 オレにはどれも同じに見えるフライパンも、木内には違いが分かる様で『コレは軽い』『コレは使いづらい』などと言いながら物色し始める。

 ・・・さっぱり分からない。

 そして木内がさっさと決めない為、暇。

 「・・・オレ、食器見てくるわ」

 食器の方がまだ違いが分かる。 食器コーナーへ行こうとすると、

 「食器は100均で買うからいいんだって」

 木内が『そっちには行かなくていい』と、またもオレの服の裾を引っ張った。

 別に高い洋服じゃないからいいんだけど、でも、伸びるんですけど。

 「でも、料理って目でも楽しむもんだろ?? やっぱ、それなりのヤツ使った方がいいんじゃね??」

 『離しなさい』と木内の手を退けると、

 「・・・・・・」

 『ふぅ』と、木内が言葉の代わりに溜息を吐いた。

 ・・・カンジ悪いな、オイ。