人知れず、夜泣き。



 「だから『次期』社長ね」

 「いちいち棘があるね、桜。 大好きだ。 結婚しよ」

 修くんがワタシの顔を覗き込む。

 「本当にワタシでいいの?? そんな簡単に決めちゃダメでしょ」

 「簡単になんか決めてないし。 もう、黙って結婚しろ、桜」

 「・・・・・・」

 「・・・何、シカト?? 返事しろって」

 「黙れって言ったじゃん」

 「じゃあ、首を縦に振るとか横に振るとかあるでしょーが」

 「・・・横に振ったらどうする??」

 「やれるももんなら、やってみ??」

 修くんが、今度はワタシの顔を両手で挟んで固定した。

 そしてそのままキスを落とす。

 「・・・ホントに結婚してくんない?? 桜が不安だと、オレも不安なの。 桜がどっか行っちゃいそうで怖い」

 修くんがぎゅうとワタシを包み込む。