人知れず、夜泣き。



 「・・・面倒くさいから、結婚しよう。 来年まで待ってらんない。 オレと付き合うのが不安で疲れるなら、結婚しちゃえば良いんだよ」

 「・・・え」

 修くんを見上げると、修くんが『ニィ』と笑った。

 「桜さぁ、オレが『来年結婚しよう』って言ったの、本気じゃないと思ってたっしょ?? あれ、超本気ですから。 ねぇ桜、今年中にしよっか。 今日しよう。 今すぐしよう」

 「・・・今すぐって」

 「桜さぁ、何でオレが社長補佐に回ったか分かってないでしょ?? 野沢さんから『桜が〔弁当ばばあ〕って呼ばれてる。 他にもいっぱい悪口言われてる』って聞いてさ。 そいつ等の上に立って黙らせようと思ったんだよ。 でもシゴトが忙しすぎて、そんな事してる時間なかった。 だから、社長婦人になって、桜が自分で黙らせて」

 修くんの気持ちは嬉しいけど、結局自分で黙らせてって・・・。

 修くんらしくて・・・面白い。