人知れず、夜泣き。



 「そんな顔で接客されても、お客様が楽しめない」

 修くんだった。

 「・・・でも、もう戻らないといけない時間なので」

 修くんの手を振り払おうとするも、

 「涙がひくまで戻るな」

 修くんが更に強くワタシの腕を握る。

 「泣いてません」

 かろうじて泣いていない。

 「社長命令。 まだ戻るな」

 「『次期』社長。」

 「・・・細かい上にカンジ悪いな、桜」

 『フッ』と修くんが小さく笑った。

 つられて笑いそうになる。

 大好きな修くんの笑顔は、いつ見ても可愛い。