人知れず、夜泣き。


 「今のは橘くんに失礼。 橘くんは浮気する様なヤツじゃないよ」

 百花が強い視線をワタシに向けた。

 「うん。 修くんは浮気はしない。 他に好きな人が出来た時は本気の時。 ・・・ワタシはいつまで好きでいてもらえるんだろう」

 俯くワタシに、百花が大きめの溜息を吐いた。

 「ワタシ、桜の事大好きだけど、その後ろ向きなカンジだけ超絶キライ。 『ワタシなんか』って何それ。  桜は自分の事、あの秘書より下だと思ってるみたいだけど、ワタシはあんな女より桜の方が大好きだよ」

 『あんな女、職場に気が狂った様な短さのスカート履いてくる、ただの露出狂じゃない』と鼻息を荒くしながら、白米をかっ食らうパワフル母さん・百花。
 
 そうは言われても、ワタシにはあの美人秘書に勝っている部分が1つも見つからないよ。

 それでも百花の言葉は嬉しかった。

 「ワタシは百花の全部が大好きなのになー」

 そう言うと、百花が照れながら笑った。

 百花が友達で良かった。

 百花になら、何でも相談出来る。