「今日入寮することになっている、斎藤 柚です。」



「あー君がねぇ。あたしはここの理事長を務めているアリシア=リーエル。エルって呼んでね〜。」



「よろしくお願いします。エルさん。」



軽くお辞儀をするとエルさんはへにゃりと笑いながらカードキーを渡してきた。



「寮はここから少し遠いいからこの転移魔法陣で行くといいよ〜」



そう言って門の前で見たばかりの魔法陣を展開した。



「ありがとうございます。失礼しました。」



笑顔で手を振るエルさんにお辞儀をして魔法陣に足を踏み入れた。



淡い光に包まれる。



独特の浮遊感が一瞬するもすぐに地に足がついた感覚がした。



辺りを見渡すとそこは先が見えないほど遠くまで続く廊下で。



カードキーに書かれた番号と同じ扉の前にいる。



カードキーで鍵を開ける。



ガチャッ



「すげ…」



思わず硬直してしまったのは仕方ないと思う。