儚い花は笑う




薔薇野side



「ーー以上で新入生代表挨拶とさせていただきます。新入生代表、薔薇野 悠。」



怠い挨拶をさっさと終わらせて軽くお辞儀をする。



それと同時に巻き起こる拍手の嵐。



俺ではなく薔薇野に向けられた視線。



俺はそれらから逃げるように目を閉じて



「〈空閉〉」



音を遮断した。







暗い暗い暗い


闇の中


ここはどこ?


俺はなに?



「っ!」



突然肩に走った痛みに目をゆっくりと開ける。



そして…息を飲んだ。



さっきまで沢山の生徒と保護者がいた目の前は氷の壁で四角に囲んであり。



ステージの上には地味な男。



〈空閉〉を解けば聞こえる音たち。



「悠!大丈夫か?」



慌てた様子で駆け寄ってきたのはいつもの3人で。



それに続いて他の生徒数名と教師もこっちに来た。



「あ、あぁ」



上手く状況を呑み込めない。



取り敢えず肩から流れ出る血を止めるべく回復魔法を使う。



徐々に痛みが取れて傷も綺麗に無くなった。



その間にも無数の炎の槍が降り注ぐ。



数分経つとやっと止んだ。



「ちょっと行ってきます。」



教師の1人がそう言って〈瞬身〉で消える。