薔薇野が軽くお辞儀をすると体育館全体から大拍手が巻き起こった。
さっきまで寝ていた人もいつの間にか起きている。
と、その時
目の端でキラリと何かが光った。
「っ!やばい」
勢いよく立ち上がると周りに驚かれたがそれどころではない。
「〈瞬身〉」
一瞬でステージに上がり両腕を広げる。
そして…
「〈氷壁〉」
生徒と保護者がいる所を氷の壁で囲んだ。
「きゃあ!何?」
「氷!?誰よこの魔法使ってるの」
「さっさと消せよ!」
状況を分かっていない生徒と保護者からはブーイングの嵐が。
しかしながら氷壁の中にいるためここからは小さくしか聞こえない。
ほっと息をついた次の瞬間体育館に無数の炎の槍が降り注いだ。
「お前…」
槍がピタリと止むと誰の声が。
後ろを振り向くとそこには薔薇野 悠と他数名の生徒、そして教師が。
「あ…。」
やべえ
咄嗟だったとはいえやっちまった。
「あ、あははは〜」
取り敢えず笑うしかなかいな。うん。
