私は杜若(かきつばた)望琉(のえる)

家はごくごく普通の庶民。

だけどどうしても早乙女学園に入学して欲しいという両親の願いからこの学園を受験し見事に受かってしまった。

私は今早乙女学園の校門前で中学の頃の友達でもあり親友の早乙女美音(みおん)を待っている。

それにしても桜綺麗だなぁ…

「望琉ーごめんお待たせ」

「そんなに慌てて走って来なくても待ってるから大丈夫だって」

そんな走ってきた彼女はハニーブラウンのウェーブのかかった綺麗な髪に大きくくりくりな黒目を伏せがちにして息を整えている。

名前を聴いてピンときたかもしれないが彼女はここ早乙女学園理事長の孫娘でもある。

「美音行こっか」

「そうだねっクラス望琉と一緒だといいなぁー」