息を切らして走る。
頬に触れる風が少し冷たい。
喉に刺さる空気も秋風だ。
ハァ…、ハァ…。
あたしは駆け足で走る。
歩道の枯れ葉がシャクシャクと、
音を立てて、地面にへばり付く。
もう少し、ここを抜ければ…。
あなたとの時計の針が
動き始めた場所がー。
高台にある、小さな公園。
見下ろせばあたしの住んでる町は
おままごとのセットのよう。
ここで2年前のこの日。
あなたと初めてキスをしたね。
あの日のあたしは2年後のこの日が
こんなに苦しくて、
悲しいなんて思いもしなかったよ。
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