「いや、大丈夫。むしろそっち狙ってた」

それはどういう意味だと尋ねる前に、私の唇は彼に塞がれた。

ふわり、とハルの匂いがして、だけどそれはほんの一瞬で。

ああ駄目だ。
動揺している。


「お菓子くれなきゃイタズラ、だろ?」

ごちそうさまです。そう言って彼はタックルを食らう前に、さっと自分のクラスへと戻っていった。
残された私は、顔を真っ赤にしてその場にへたりこんだ。