一週間がたった。


羅利子は雅彦と、楽しい日々を過ごした。


海沿いや公園で、ゆったりと戯れあった。熱く抱き合い、くちづけをかわした。夢が叶って、羅利子は涙を流した。


人前で彼と会話をしていると、気がちがっていると思われるので、学校にいるときは、人気のない校舎裏で話をした。


雅彦は、羅利子にとって、最も心地よい言葉を何度も投げかけてくれた。それは、普通の恋愛ではなかなか得られない快感であった。


これが普通の男子ならば、付き合い続けてゆくうちに、ひとつ、またひとつと欠点が目についてしまうはずだ。下手したら、それが原因で別れてしまったりする。しかし、雅彦にはそれはない。もし欠点が見つかったとしても、想像によっていくらでも作り直せるのだ。


まさに、「理想」の恋人であった。


これは他の女子では味わえない。特殊な想像力を持つ私だけができる恋愛だ。


そう考えて、羅利子は他の女子達に対して、優越感を抱いた。