「例えば、ね」


「あ?」


「例えばね、そういえばジュースがコップに入ってたな。って思い出してさ、そのコップを飲んだら水だったとするでしょ」


「は?…やべ、ラスボス強え」


「甘いジュースが飲みたかったのに、入ってたのが水だったらビックリして一瞬吐き出しそうになる」


「…おぉ」


「…ねぇ、聞いてる?」


「聞いてる、よ。あ、くそっ」


「いつもはただの水としか思ってなかったのに、その驚きと甘いジュースだと思ってた勘違いからさ、水にも甘い味があることが分かるんだよね」


「………」


「ねぇ、聞いてる?」


「………」


「ねぇってば、ねえ」


「あっ!!……くそ、ゲームオーバー」


「残念だったね」


「…で、ハルのその話し、何が言いたいの?」


「あんたはそういう男ってことよ、マナト」