はっきりと言ってしまえば、オレもこの男が好きではない。
むしろ、嫌いの類に近いのかもしれないが。
会って二日で、まだ性格なども分かっていないのに______。
妙に、この男に対しては嫌悪感を抱いてしまう。
「何か、重圧を加えられた気がするわ。」
ナナミが、オレだけに聞こえるほどの声で言った。
「上司、とか言うところがな・・。オレたちの処分なんていつでも出来るって言われてるみたいだ。」
オレも、声をひそめてナナミに返した。
この実験のトップの補佐______。
つまりは、ここのNO.2ということではないか。
「ああ、そうだ。まだ目覚めたばかりなのだったね。そろそろ、失礼するよ。」
三津谷祐一は、入ってきた浦波の部下その5とその17(多分)と入れ違いに出て行った。



