「じゃあ、これだけは質問させてもらうけどな・・。」
三津谷はそれまでナナミのほうを見ていたが、こちらに視線を戻し、何かな?とまた嘘笑いをした。
「あんた、何者なんだよ。昨日いきなり出てきて・・・。その様子じゃ、オレたちやレプリカ実験について知っているんだろう?」
オレたちはまだ、何も知らない。
この男のことも、自分のこともレプリカ実験の目的も。
それを、この男から聞き出せるのではないか______。
「ああ、知っている。・・・僕は、ここの研究機関で所長の補佐をしている。まあ、一応浦波博士からしたら上司ですよ。」
三津谷は、まあ、浦波博士には嫌われているみたいですけど、と苦笑した。
こんな腹の奥に何を隠しているのかも分からないやつを相手に、好きだといえる人物がいるならばお目にかかってみたいものだ。



