「聞いたんだけど、何故痛んだのか、理由はまだ分かってないみたいなの。」 「原因不明、か・・・。」 ぽりぽりと頭をかく。 「・・・あれ、そういえば・・・。」 ふと頭にちょっとした疑問がよぎる。 「どうかしたの?」 「いや・・・頭痛が酷くて、オレはそのあとどうしたんだっけな・・・。」 頭痛薬を飲むために水を取りに廊下に出たことは覚えてる。 その後、どうした? 無事、給水場までたどり着けたのだろうか? そんな記憶は、まったく出てこない。 「あ・・・それは確かに、私もあやふやな気が・・・。」