「・・・ッ・・・誰、だ・・・アンタ・・・。」


声を振り絞って、うめくように問いかける。
黒いサングラスが、影を増したように光った。

「三津谷、祐一。」

口角を少し上げ、ニヤリと微笑んでいる。

「今は、間が悪いな・・・。これを、飲むといい。」

三津谷と名乗った青年は、オレの口にペットボトルの水を流し込み、オレが持っていた頭痛薬を放り込んだ。
手のひらで口をふさがれ、ごくり、とそれを飲み干す。

「それでは、また。」

三津谷はそう言って、コツコツと革靴の音を響かせ廊下を歩いていった。

そして、オレの意識は静かに眠りに落ちていった。