ようやく、三分の二まで来た辺り。
痛みはピークに達し、身動きもとれなくなっていた。
「・・・ッ・・!!ハァ・・ッ・・・!!」
壁にしがみつくようにして、一歩、なんとか踏み出す。
「うぐ・・・っ・・・!!」
脂汗がしたたり、息が苦しくなっていた。
「辛そうですね、柚希のレプリカくん。」
廊下にうずくまっていたオレに、頭上から声が響く。
もうろうとする意識の中、声の主を確かめた。
サングラスをかけた、美青年。
年頃は、オレと同じ頃だろうか。
____どこかで、見たような・・・・?
男は、あごに手を掛け、オレの顔を上に向かせる。
本来なら、手をはたきたいくらいなのに、抗う力が微塵も湧かなかった。
「ああ、記憶は無いんでしたっけ?・・・つまらない、はやく、戻ればいいのに。」



