記憶が戻って来ている。
その言葉が、頭のどこかに引っかかった。
戻ってくる?
「戻ってくる・・・だって?それは・・・オレの本体の、か?」
「さすが、Sランクなだけありますね。その通りですよ。」
アレが本当にオレの本体の記憶ならば_____
やはり、オレとナナミにはなんらかの関係があったということか。
「あとで、思考の流れを整理する薬を持ってきます。」
薬、だって?
「いい。・・・これくらい、自分で・・・。」
何故だ?
ならば何故、オレとナナミの本体は死んだ。
何故、ただの高校生であったはずのオレたちは、死んだのだ。
「・・・・そうですか。」
浦波は、そう言い残して音も立てずに出て行った。



