ナナミがオレと同じ「映像」らしきものを見ていたとは、少し意外なようで、でも当然のような気もする。
あの戦闘の際、ナナミも頭を苦しそうに抑えていた。

それならば、オレと同じ状況に陥っていたと考えられるだろう。

しかし、それはオレにも分からないのが現状だ。
映像を見ていたオレにとっては、その登場人物は彼女になるのだから。

「悪いけど、オレもそれを知らない。・・・ただ、オレもその映像を見た。」

ナナミは一瞬気落ちしたように顔を曇らせたが、最後の一言でハッと顔を上げた。

「あなたも・・!?」

無言で、肯定する。
頭の中に、うっすらとあの映像がよみがえる。
砂嵐がわずかにかかった、目の前の髪の長いナナミ。