部屋を出て、ナナミの後ろをついて歩く。
ほんの2、30秒でナナミは立ち止まる。
階段下の物置のような場所。
確かに、この辺りには監視カメラも無いように思われる。
「聞きたいことって?」
それまでオレに背を向けていたナナミが、その一言で振り返った。
「・・・今日の、戦闘テストで・・・。」
自分でもまだ整理できていないかのように、たどたどしく話し始めた。
視線が、少し泳いでいる。
「目眩がしたと思ったら、頭の中に映像が流れてきたの。それは、その時の戦闘の様子と酷似していて・・・・。その映像には、茶髪のあなたがいた。髪の色は違うけど間違えるはずはないと思うから・・・。」
とりあえず、自分の体験談を話してみた、というところだろうか。
「で、その映像が何か、映像の登場人物に聞いてみようって思ったわけ?」
こくりと、うつむいていたナナミが頷いた。



