~ユズキside~ 頭の中に流れ込む、膨大な情報の量に体がふらつく。 それでもなお、自分の体は勝手に動く。 こいつには負けたくない。 譲れない。 そんな対抗心も感じられるが、一番の感情は、嬉しいだろう。 前にも感じた気のする妙な既視感に、不思議と気分は高揚した。 ナナミに集中すると、微妙に彼女も微笑んでいることに気付く。 戦いが楽しいだなんて___。 そんな葛藤もあったのだが、ナナミの表情を見てそれは全てと言って良いほど吹っ飛ぶ。 同じ感情を、共有する。 なんて、楽しいのだろうか。