「・・・悪いけど、沈黙は肯定と受け取らせてもらうよ。僕にも時間が無いんでね。」

白衣の男は、紅茶(と思われるもの)を、オレに差し出した。
白いティーカップから、湯気が立ち上っている。

男は、自分も一口飲んでから、

「ああ、毒など入っていないから、安心していいよ。」

と、証明するかのようにもう一口飲んだ。

オレは、裸足で歩き回ったため体は冷え切っていたし、のども渇いていた。
紅茶(?)に口をつける。
・・・うまい。
オレはさっき目覚めたばかりだから、紅茶の味なんて分からないはずなのに。
これは紅茶だと思えるのは、何故だろうか。