ふと部屋の隅に目をやると、この部屋で唯一オレたち以外に忙しく動いていない男がいた。 黒のスーツを着て、サングラスをした不審者のような男がいた。 サングラスをかけているが、その上からでも相当の美青年だと分かる。 壁にもたれかかり、ナナミのほうを見つめている。 すると、男はふいにオレのほうに振り返った。 目が合うと、男はにやりと口をゆがめた。 サングラスをかけているのに、こちらを見ているとしか思えない。 見ていると、どうしようもない不快感に襲われる。 今すぐ殴り飛ばしたいような・・・。