相変わらず真っ白な廊下。
オレと浦波の部下、二人分の足音しか聞こえない。
こつり、こつり・・・。
ふと前を向くと、反対側からもう一人の浦波の部下とその後ろに・・・。
彼女が、いた。
しかし、ある違和感があった。
髪が、短くなっている。
昨夜、彼女が目覚めた段階では、かなり長かった。
「あの。」
オレは、目の前にいた白衣の男に、話しかける。
「昨日目が覚めたもう一人のレプリカって・・。髪、切ったんですか?」
「?ああ。今日の朝、了承も得ずにバッサリと自分で切ったらしい。・・なんでかな・・・。前世で何かあったのか・・。実験が楽しみだ・・・。」
後半はまるっきり独り言に変わっている。
浦波の部下たちは、昨日もずっと実験実験って言ってた気がする。
実験しか人生に楽しみが無いんじゃないかと疑いたくなった。



