「柚希!」

とても懐かしい、彼女の声が聞こえる。
目を開けば、周りは光で包まれており、周囲に見えるのはオレだけだった。

考えてみれば、先ほど聞こえた声も、頭に響くものだった。
だから、オレはこの空間にたった一人なのかもしれない。

ふいに、強い風が吹く。
世界をそのまま吹き飛ばしてしまいそうなほどの、突風。

思わず目を閉じた。