部屋の前にたどり着き、はぁはぁと肩で息をする。

ペタペタと自分の足音が響くなか、オレの足は例のビンの前で止まった。


「・・・・七海・・・・・・・・。」


ふと、以前頭に出てきた言葉が、口をついて出る。




ピシ。

ビンに、割れ目が入る。

トクトクと、水が漏れだしてきた。


パリーーン!!

そのビンは、音を立てて砕け散った。

その瞬間、彼女が倒れてくる。

「・・・っ!」

オレは、降りしきるガラスの破片の中を走り、彼女を受け止めた。