オレはそれを、ゆっくりと押した。

「・・あれ?」

何も音がならない。
ぽーんとか、ピンポーンとかなると思っていたのだが。

もう一度。
やはり鳴らない。
・・・故障しているのだろうか?

もう一度。
鳴らないし、誰もこないし・・・。

ここまで来ると、ヤケになってくる。

カチッ、カチッ、カチッ・・・・。

オレは無心になって、連続で押した。
後から思うと、バカなことをしたと思う。
・・・子どもか、オレは。