10メートルほどの間隔を維持しながら、長い廊下を歩き進む。
しかし、途中でふいに____。
何かが、強くオレの腕を掴んだ。
「ナナミ・・・。」
「ごめんなさい。遅れた。」
少しだけ怯えるような表情を含ませながら、ナナミはオレについてくる。
「役者は、全員そろったようだね。」
三津谷が、振り返らずに言った。
まるで、ナナミが来ることを予測していたかのようだ。
「どうして、ここに?」
「あなたの様子、変だったから。私も・・秘密で、部屋抜け出してきたの。」
「・・・どのタイミングからあの部屋に居た?」
「三津谷さんと、あなたが話してるとき・・くらい。」
全然気付かなかった・・・・それは、普段のオレだったら多少は気配に気付けるはずなのに。
動揺していたからか?



