それから、毎日、迫ってくる色摩から逃げ回るようになった。


何度か、襲われたこともあった。


五月始めの放課後、人気のない公園をひとりでランニングしていると、木の上から、目をギラつかせた色摩が飛びかかってきた。


突然の襲撃に、油断していたおれは、あっさりと押し倒された。


色摩は、マーシャルアーツを習っていたそうで、素早い動きに無駄がなかった。

しばらくもみ合い、何度かズボンを脱がされそうになった。おれは必死で抵抗した。こんな形で、貞操を失うのは嫌だった。初めては、好きなひとに捧げたかった。


十分後、なんとか逃げだしたおれは、制服をビリビリに破られた姿で、半泣きになりながら帰宅した。両親には、不良とケンカしたと嘘をついた。柔道をやっているおれが、女子高生に暴行されたと言っても、信じてくれないだろうからだ。