「ほら、早くこっちに来て。」





薄暗い踊り場。


学校の中でも、ここは滅多に人が通らない場所。


そんな場所で追い詰められるあたし。





「で、でも、学校だし…」




「そんなの言い訳になるとでも思ってる?
鈴が来ないなら、俺がそっちに行くだけ。」




「やっ!」




「やっ…って(笑)
俺に抵抗するんだ?
…ま、鈴には無理だけどね。」





黒縁メガネの奥で光る瞳。


一瞬だけ緩む口角。


もう次の瞬間には、完全に壁に追い詰められてた。









…行き場を失ったあたしは完全に、森に迷い込んだウサギ。