わたし達は近くの喫茶店に入った。

「あ、ね!さっきさ、葵いたね!」
麻妃が思い出したように言った。

「あー、走ってた時?」
うろ覚えなのか、唸りながら言う雅人。

「いたねー、ベロちゅーしてた。」

「んねー!ってか、わたし達に気づいてたよね?」

「まじかよ、やるなあいつ。」

「そりゃ、気づかないわけ無いでしょ、あれだけ騒いでたんだもん。わたし達。」

「やーね、あれがなければ完璧なのに…」
はぁ、とため息をつきながらそう言った麻妃。