「麻妃!」

私は、麻妃に声をかけた。

「…っ!あか、ねっ!」

嗚咽を紛らせながら私の名前を呼んだ、麻妃。

ただごとじゃないのはすぐにわかる。

なんで、

「なんで、泣いてるの…?」

そうたずねても、俯くだけで言葉を返してくれない。

「…私に話せないことなの?」

私は辛くなってそう言った。

苦しいよ、

大好きな親友が、

理由がわからないことで泣いてるの。

別に、泣いてるのが悪いっことじゃない。

ただ、私を頼りにしてくれないのが、苦しい。

私はいつも、麻妃にたよってばっかだから、

特に、だよ。

ねぇ、

私を、

「私を、頼ってよ…」

私は蚊の鳴くような、そんな声で言った。

「…っ!あか、あかねーっ!!、」

そう叫んで、私に抱きついてきた、麻妃。

「私ね、麻妃が泣いてる理由、わからない。

だけどさ、いつでも頼っていいの。

頼って欲しいの。

別に、話を聞かせてくれとは言わないから。

ただ、こうして、抱きついてくれて、思いっきり泣いてくれるだけでいいからさ、」

「うん、うん…っ!
ごめんね、今はまだ話せないけど、
いつかは必ず話すから…っ。」

「麻妃が話そうと思ってくれるまで、いくらでも待つから!まかせてよ!」

私は笑顔でそう言った。

麻妃も泣きながら、笑ってくれた。


笑う門には福きたる、だよ!