「車借りれて良かったな!」

「うん。」


歩いて10分だったから、アパートにはすぐに到着して、優くんが部屋に運んでくれた。


「じゃあ、オレ、車返してくるな。」

「うん。気を付けてね。」

優くんが部屋を出て、布団を準備してふっと気がついた…
ベッドは明日到着。この布団は来客用で一組だけ…

んっ!?二人で一組の布団…
え〜?!いや…さすがにここはわざわざ来てくれた優くんに寝てもらって、私はさっき買ってきた毛布でいいよね…

うん、そうしよう!


「ただいま〜。」

「あっ、優くん…お帰りなさい。」

「明日、引っ越し屋、来るんだろ?今日も疲れたし、寝ちゃおうぜ!」

「ゆ…優くん、布団使って!私、毛布でいいし!」

「はぁ!?梓が布団使えって。オレは大丈夫だからさ。」

「でも…」

「じゃあ…二人で寝るか!?あ〜、大丈夫だぞ。オレはお前に絶対手なんて出さないし!」

わかっていてもズキッときたよ、そのセリフ…


「わっ…わかってるし!」
「んじゃ、梓。おいで」

「う〜…」

「ほら早く。」

無理矢理手を引かれ布団の中へ…


「電気消すぞ。おやすみ。」

「おやすみなさい…」


なぜだ!?なんで、私、優くんに腕枕なんてされてるわけ!?
しかも背中から抱きしめられてる感が…
なんか変な汗出てきた…

絶対寝返りなんて出来ない…

3分もしないうちに背中から優くんのイビキが聞こえてきた…


優くん、イビキかくんだね…失恋とともに知った好きな人のこと…

ちょっとだけ優くんの顔が見たくなって、そっと振り返ってみた。起こさないように…


ぷっ!!優くん、口開いてるし!しかも、目も半目で怖いって!

また優くんのことを知ってしまった…


「優くん…ごめんね。好きだよ…」


またしばらく忘れられないよ…