私は会うたびに、みるみると飯島さんに惹かれていった。




こんなに優しい人どこにもいない。


私にとって飯島さんは、すごく特別な存在だった。







でも。



飯島さんが私に優しくしてくれるのは、私の歌声が好きだから。



声が出ない私が珍しいから。


可哀そうだから。





調子に乗っちゃいけない。


私みたいな面倒くさい女の子じゃ、飯島さんに好きになってもらえるわけがない。




だから飯島さんを想っちゃいけない。

私は、仲良くしてもらってるだけで十分なんだから。



これ以上何も望まない。



こうして飯島さんに会えることが、私の幸せ。