朝の学校はざわざわしている。
廊下から上履きの音が響く
グラウンドからは朝練の笛の音
教室はみんなの話し声で賑やかだ。


その中で、俺は静かに空を眺めてた。


昨日と同じ、薄い青。
消えそうな雲がゆっくり泳いでる。


昨日の女の子の、声。


あの歌声が耳についてずっと離れない。
試しにMDで他の歌を聞いてみた。
でも、何か違う。

今まで好きだったアーティストの曲も、何だか物足りない気がする。
どれもいい曲だと思うし好きだけど、心に響いてこない。

やっぱりあのこの歌声は特別だ。

あの不思議な魅力。誰もが惹きつけられる声。
あのこの歌は
うまいとか

へたとか

好みとか

好みじゃないとか


そういう次元を超えてる。


もしあのこの歌声を100人が聞いたら、きっと100人全員が魅せられる。


そんな感じ。



「・・・・・もっ回行くか・・・・」

公園に行けばまたいるかもしれない。
また歌ってるかもしれない。

あと一回でいい。

あと一回だけで良いから、あの歌声が聞きたい。


良く通るソプラノ声。オペラ歌手とかアーティストとも違う種類の声。







あのこだけの特別な声。