屋台で俺はたこ焼きを、未央はわたあめを買った。



味見で未央に1コやると、未央は厚そうに口元を押さえた。

猫舌だ。

俺はつい笑ってしまった。



未央からお返しにもらったわたあめは、すごく懐かしい味がした。


ふわっとしてすぐとける

この触感久しぶりだ。



遠くのほうでわーっと歓声が上がった。

人だかりができてる。




やぶさめか。


ここの祭りの名物だ。


俺は未央の顔を覗き込んだ。

「見てく?」


未央が困った顔で首を振った。




大きい動物は怖いんだったっけ。



「じゃあ行くか」


俺と未央は人ごみをくぐり抜けて神社を出た。



まだ前からはひっきりなしに初詣の人が来てる。