「しかし、なんで魔法が使えなかったんだ?」
「体が反発していたせいで、命令式が伝わらなかったと考えるのが一番でしょう」
美術室に入った後、いつも座っている席に座った。
出席番号順に座ったが、なぜかみんな固まっていた。
「しかし、ここまで来ると性格とかの問題じゃない。
これは、【呪】だ」
「…前世からの贈り物ですか」
【呪】とは、魔法使いの一部にのみ伝わる、
前世から後世にかけられる禁断の魔法だ。
しかし、なんでそんな魔法が俺にかけられてるんだ?
いや、俺だから、なのかもしれない。
「かけたのはきっと、東雲みたいなのから子孫を守るためだろうな」
「…丹野さん?」
手を組んで下を向いている丹野さんは、いつもとは何か違っていた。
やはり…俺にまだ言ってないことがいくつかある。
なぜひた隠すんだ?
「帝王が闇から狙われるなんて、普通のことだろ?
しかも、子孫が女だとすると、尚更…な」
「帝王が男じゃないのは、きっとはじめてだったんだろうな」
なんで…そんなことまで知ってるの?
帝王である本人が知らないのに。
「昔話も、男だったろ?帝王の存在を知っている魔法使いは何代も前の帝王も知っている。
帝王本人が何も知らないのは、先祖が死ぬ直前に記憶を封印していたからだ」
「なんで?」
「…そのほうが都合がいいからだ」

