「つまり、今回の目的は紫桜のデータ収集だったのだろう。
いつもいる場所が同じな紫桜は、
データが取りやすかったんだろうな」
何かをめくりながら丹野さんが説明してくれた。
でも、俺のデータが何になるんだ?
「お前みたいな貴重な存在なら
データを取りたくなる黒幕もいるだろ」
太一さんも平然と言い放った。
貴重な…存在?何が?俺が?
「そりゃ、今まで孤独の中で生きてきたから、
自分がどんな存在か見当もつかなかっただろうな」
どんな存在か?
意味が分からないというより、
なんでそうなるのかがよく分からなかった。
「…会議を進める前に、コイツに説明する必要があるのか」
あきれ気味に言われた。
確かに何も知らない。
よく生きてこれたなというレベルで。
「まず、この世界が成り立っている方式を知ってるか?」
世界の方式ですか?
授業に出てないからわからない。
「知らないです」
「授業に出ないにもほどがあるだろ…」
説明前から、全員があきれてる。
話が進めばいいのだが。
「この星には、いろいろな動物がしがみついて生きてる。
それで、人間もその中に入るわけだ。
人間でも、普通の人間と、魔法使いに分かれる。
ここまではいいか?」
丁寧に語ってくれた丹野さん。
一番最初から説明してくる気か。
「はい。そこは分かります」

