「さて、戻りますか」
一回伸びている先輩。
さっきのことが気にかかってしょうがない。
意外と俺は、心配性なのかもしれない。
「よし、俺に抱き着くか抱っこされるかどっちがいい!?」
「両方嫌ですよ!!」
真顔でこっち向いてそんなこと言うのかこの人は…
速攻で断るけどもね。
「まぁ、冗談だよ。手だけでもつないでくれ」
って言って手を差し伸べる先輩。
珍しくかっこいい感じ。
黙って手をつかむ。
笑いかけてくる先輩がかっこいい。
顔が熱い…
いや、別にそういう感情じゃないんだから、
なんでこんなに緊張するんだろう。
「…?どうした?紫桜」
何にも気にしないで顔を近づけてくる先輩。
先輩がいつもマスクしてなかったら
多分殴っていたところだろう。
「ううううううるさいです!!なんでもないので早く移動しましょう」
…失敗した。
何言ってるのか自分でもわからない。
「じゃあ、移動するか」
笑って頭を撫でてきた。
こういう一つ一つの仕草にドキドキしてしまう。
…なにこれ。
どうなってんのよ…
「よし、行こう」
<パチン>

