ただいま接近距離2m。
まだ気づかないのかな…。
いや、気づいているのに…か?
そしてもう一歩踏み出す。
小説から目を離す素振りを見せない。
野口さんは、小説を読むときや
遠くのものを見るの時にメガネをかける。
黒い眼鏡似合うな…
そんなことを思ってもみる。
横から先輩の顔を見ている。
先輩との距離は30Cmもない。
気付いてないのかな…。
それはそれでちょっときつい。
「…遅いよ」
<バタンッ!>
どうやら、気づいていたのに
気付かないふりを通していたみたいだ
「先輩。なんでこうなってるんですか?」
いきなり押し倒されたんだから、
普通は聞くだろうな。
「…なんとなく、かな?」
なんとなくで女子を押し倒すもんなんですか。
…本当にこの人は
「わからないんですよあなたの性格が」
<ゴスッ>
先輩の頭にチョップを入れる。
魔法使ってもよかったんだけど、
変なとこで消耗したくなかった。
「…いきなり攻撃かよ。もう少しほかの対処策考えろよな」
笑いながらどける先輩。
本当に何が目的だったのだろうか。
なぜか先輩の笑みが
さみしそうに見えた気がした。

