俺は、言われるがままに先輩の隣に座った
(まぁ、ひとつずれただけだが)
「…野口さん。丹野さんってシャイだって聞いてたんですが…」
丹野さんはほとんど後輩と話さない。
なのに俺と普通(?)に話してる。
ここが気になった
「あぁ、多分同じ魔法使いだから親近感わいたんじゃね?」
何と適当な返事…
というか、この人に聞いたのが間違いだったのでは?
それと、あとに回してたが、もう一つ…
「俺含め全員トップクラスってどういうことですか?」
誰でもいいから、という感じで質問した。
答えてくれるのはいつもの人だと思ったけれども…
「気付いてなかったのか?
俺達、結構有名だぞ?」
当たり前のように言ってくる。
微妙にむかつく
「普段、普通の人がすごしてるように学級にいないので、
そんな情報一つも知りません」
と言ってやる。
この人たちは喋り方が似てる。
だから俺は声で判断することがある。
ちなみに、今答えたのはいつもの野口さん。
「あぁ、お前人として扱われないんだっけ。
お前が魔力を抑えられないのは、それだけの威力だからだよ」
…もう少しオブラートに言葉を包みましょうよ。
でも、それだけの威力って…
そんなの使ったこともないし…
「…魔力出すぎだろ。制御できなくなっても知らんぞ」
え?もうそんなに出てますか?
自分じゃ気付かないからな。
何か変化してはじめて気づく。そんな感じ。
「…東雲が動いた」
加茂さんの言葉に、
全員の目が美術室を見た。

