「黒魔術?今どきですか」
つぶやいたのは丹野さん。
黒魔術は、昔、裏で流行したといわれる、いわゆる呪い系の魔術。
いまも、面白半分で使うやつがいるが、
それはほんの一部のもの。
そこまで命に支障は出ない。
しかし、この威力は半端じゃない。
街一つ壊しかねない。
それぐらいの威力を美術室から感じた。
「先輩、どうするんですか?」
一番気になっていたことを聞く。
「とりあえず観察。これ以上何か起こったら厄介だしな」
指揮を取るのはどうやら丹野さんのようだ。
何やら大変なことになりそうだ。
観察し続けて5分。
弁当も食べ終えて観察に集中している。
だけど、一つ心配なことが。
「野口さん、時々休んでいいですか」
いつ魔力が暴走するかわからない。
そうなったら気付かれるのも時間の問題
その前に手を打っておいた方がいい。
「ん?なん…あぁ、お前、そうだったな。
いつ暴走するかわかるのか?」
そう。その加減がわからない。
気付くと暴走してるんだ
「いえ。分かりません」
正直に答えておいた方がいいだろう。
先輩が何とかしてくれる部分もあるかもだし
「…おい、俺の隣来い。
野口と俺に挟まれるみたいに。
そうすれば俺たちが魔力調節できる」
…うん、うすうす気づいてはいたが
「…皆さん、魔法使いですか?」
「ここにいるのは全員な」
あ、俺も含めってことですか?
「それも、お前含めて全員トップクラスのな」

