とりあえず一回降りるのかと思ったら、
屋上のドアに鍵のかかっている4階に上った。
何をするかわからないので、黙ってついていくことに。
「…鍵か。取りに行く?それとも使う?」
使う?何を。
野口さんはポケットに手を入れながら丹野さんに問いかけていた。
使うとしたら…この人ならあり得る。
「ここで使ったらばれるぞ。それに、ここから行くにはリスクがある」
美術室には何かがあった。
(居るの方が近い)
それが魔力に反応する可能性がある。
そんなのが暴れ出したら抑えられるはずがない
「…下から行くんですか?
それとも諦めるんですか?」
なんとなく空気が読めなくて聞いてみる。
聞いても意味がない気がしてたが。
「美術室を直接のぞける場所がいいな。
リスクがあっても。直線状に。」
無いわけではないが、教師に見つかる可能性がある。
しかし、今見逃せば、アレがなんなのかわからなくなる。
「…1階に…行けば、教師に見つかる可能性が少なく屋上に行けます。
南校舎側の屋上なら、3階がないので直線状になります」
あちら側の屋上に入ったことがない。
同じ屋上でも、階が違う。
しかも、見つかる可能性が高くなる。
だが、3階を覗くには絶好の場所だ。
「行くか。屋上」

