今の親に引き取られても噂が止まることはなかった。
それどころか、悪化する一方だった。
―偽家族―
そんなこと私が一番わかってるって。
そう、何度も思った。
もう、何もかも面倒になった。
今の家族にはちゃんと子供もいる。
私と違う、ちゃんと血のつながった子供がいる。
私が帰らなかったところで、関係ない。
クリスマスケーキでも食べて帰ろうか。そう思いながら雪の降る中、傘もささずに歩道を歩く。
「待てって、水原」
そう急に呼ばれた私。
誰かと思いふと後ろを見る。
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