「私、母子家庭だったでしょ」





そう、イルミネーションが見え始めてからポツリポツリ話し出す。





「ちょうどあの家から出ていく前くらいにお母さんがおかしくなって、





私は施設に入れられたわけ。」





そう言えば、驚いた表情をしながらも黙って話を聞いてくれる。





「それで、施設に入っている人が珍しかったせいかすぐに噂になって、





こんな様よ」





もう慣れたけどね...なんて言いながら空を見る。





もう慣れたよ





お母さんがいない生活も、みんなから変な目で見られる生活も、嫌な視線も、新しい家族も。





全部全部、もう慣れたよ。