彼が状況を飲み込めず固まっている中、私は冷静に今までのことを思い出す。





初めて会った時、なぜかはわからないけれど懐かしいと思ったこと、





初めて会ったはずなのに好きだと思ったこと。





今まで不思議で不思議で、どうしてだろうと悩んでいたことが、





だんだんとわかってくる。





「もしかして、まさか、姫ちゃん?」





ようやく状況がわかってきたのか頭が冷静に回り始めた彼。





「姫ちゃんだ!!」





急に声をあげたせいで店内のいたるところから視線を集める。





「ちょっと、潤ちゃん、シー」





そう言って小さい頃よくしていたように口の前に人差し指をあてる。





「あ、ゴメン」