「何、ケーキ食べたいの?」





じっと割引券を見つめる私をのぞきこむように顔を傾げた吉野。





「え、あ、うん。ケーキ...」





佳奈以外と話すことがなかったせいか、会話はあまり得意ではない。





それでも吉野はわかってくれたみたいで、





「そこのケーキ屋だね」





なんて言いながら私の手を引っ張り店へ入っていく。





そんな所に世の中の女子は惹かれるのか…





なんて思いながら足を進める。