確かに君は言った。あの子が好きだって。
私は誰より前からずっと翔がすきだった。なのに…なのにっ…。
言葉を発することすら出来ない。大人になっても一緒って約束したじゃん。
冷たい涙が溢れてくる。
拭ってもまた流れて来る。

「きっと照れ隠しだよ。うん。」

「きっとすぐに戻って来る。」

そんな理由を一つずつつけていく。
時々ふと"あの言葉"を思い出す。
「俺は、奏が好きなんだ。」
……忘れよう。
そして再び理由を付け始める。
こんな自分が大嫌いだ。世界一大嫌い。
明日から翔に合わせる顔が無い。
奏が憎い。ちょっと教室に居るだけで男子にちやほやされるし…。
理由を全て付け終わり、涙をこらえる。…が止まらない。
また同じ様に最初から理由を付けていく。気の済むまでずっと…