大河内瞬

27歳

3年前、映画で大ブレイクを果たし

今や日本を代表する実力派俳優

ハリウッド進出も視野に入れており

今後最も期待される、世界に通用する日本人とされている




「陽斗、お待たせー!」

「お母さん!」



保育園に陽斗を迎えに行くと、

彼は満面の笑みであたしを出迎えてくれた。

他の子供たちはもう、帰っていて

陽斗は、みなみ先生と積み木をして待っていた。



「今日も遅くまですみません…」



申し訳なくて小さくなるあたしに、みなみ先生はにっこりと微笑んだ。



「お気になさらないで下さい!
 陽斗くんは今日もいい子でしたよ」



あたしのひざにしがみつく陽斗の頭を、優しく撫でる。



「陽斗、帰ろう」

「うん!今日のご飯なぁに?」

「どうしよっかなー、お買い物しながら考えよう」

「僕ね、コロッケがいいな!」




手をつないで、帰路に着く。

淋しい想いをさせているかもしれない

でも

あたしは、陽斗がいれば、幸せ